なぜ?ひどい手荒れは習慣から改善!ハンドクリームの選び方と使用ポイント

「手荒れがひどく、ハンドクリームなどでケアしているのに、なかなか改善しないのが悩み!」という方は少なくありません。今年は頻回の手洗いで、いつも以上に手荒れに困っている方が多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、手荒れで悩んでいる方のために、手荒れを改善する方法について解説します。ハンドクリームの選び方と使用する際のポイントも紹介しますので、ひどい手荒れに悩まされている方は参考にしてください。


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手荒れがひどい!手荒れの原因・種類を知ろう


(イメージ図)

手荒れの症状は、初期の段階では「かさつき」「軽いひび割れ」などで、進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)と言われます。ひどくなると「ひび」「あかぎれ」「赤み」「かゆみ」などを生じ、手湿疹となります。症状の中でも「ひび」「あかぎれ」は最も多い症状といえます。

手荒れ1.ひびとあかぎれ

まずは、ひびやあかぎれの原因について解説します。

ひびやあかぎれの主な原因は、手肌が乾燥して角層の柔軟性がなくなることです。そもそも、なぜ手肌が乾燥するのかというと、空気の乾燥や気温の低下のほかに、手洗いや水仕事などで手肌の皮脂が奪われることが挙げられます。

では、ひびとあかぎれの症状はどのように違うのでしょうか。両者の違いについて、簡単に説明します。

ひび

ひびとは、手肌の皮脂が失われて乾燥した肌に、亀裂が起こった状態です。

あかぎれ

あかぎれとは、ひびの症状からさらに乾燥が進み、肌の柔軟性が低下して亀裂が深くなった状態です。痛みや出血などの症状もあります。

手荒れ2.手湿疹

手湿疹とは、手や指に炎症やかゆみが起こり、湿疹ができる症状を指します。主な原因は、以下のふたつです。

1.慢性刺激性皮膚炎

慢性刺激性皮膚炎は、手洗いや水仕事、手を使う作業などにより、手が常に外的な刺激を受けてダメージが加わることで生じる皮膚炎です。職場で手を洗ったり水を使ったりする機会が多い看護師や介護士、美容師、調理師などの方は、慢性刺激性皮膚炎に悩むことが多いようです。

症状は、手肌の乾燥が進行して亀裂が入ったり、指先にささくれができたり、ひどくなると赤みやかゆみ、じくじくした湿疹や痛みが生じる場合もあります。

原因は、石けんや洗剤などによる慢性的な刺激と考えられており、これによって手肌のうるおいが奪われて皮膚のバリア機能が低下し、手荒れになるのです。

また、慢性刺激性皮膚炎は、冬に悪化することが多いという特徴があります。冬は空気が乾燥しているため、手に付いた水分が蒸発するときに、皮膚の水分も一緒に奪われてしまうのです。そのため、患部の乾燥が進み、亀裂やかゆみが出やすくなります。

2.アレルギー性皮膚炎

手湿疹の原因が、アレルギー性皮膚炎の場合もあります。これは特定の物質に対してアレルギー反応を起こすことで、皮膚にかゆみや発疹、炎症などが起こるものです。

アレルギー症状を起こす原因になるものには、消毒液やゴム手袋、石けん、シャンプーなどが挙げられます。これらに対してアレルギーを持っていると、少し触れただけでも手荒れを起こすことがあります。また、アレルギーは触れている間に蓄積されて、突然発症することもあるので注意が必要です。

特に皮膚のバリア機能が低下しているときは、アレルギーを引き起こす原因となる物質が皮膚から侵入しやすくなるため、症状が出やすくなるのです。

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重症化を防ぐ!手洗い習慣を改善

では、ひどい手荒れを治すにはどうすれば良いのでしょうか。

実は、手洗い習慣を改善するだけで、手荒れの重症化を防ぐことができるのです。手荒れでお悩みなら、下記の手洗い方法に変えることをおすすめします。

水温を変える

手を洗うときは、人肌くらいの温度(33~35℃)のぬるま湯を使いましょう。

寒い季節はお湯で手を洗うことが増えますが、熱いお湯は皮脂を奪い過ぎるため、手肌が乾燥する原因になります。そのため、33~35℃のぬるま湯を使うと良いでしょう。

洗い方を変える

また、洗い方にも注意が必要です。汚れや菌などが気になるからといって、ゴシゴシ洗い過ぎるのは禁物。強く洗い過ぎると摩擦で角層を傷つけるため、手荒れを悪化させる原因になります。手を洗うときは、洗浄剤の泡をクッションにして、こすり過ぎないように注意しましょう。

洗浄剤を替える

石けんやハンドソープは、低刺激タイプに替えることをおすすめします。洗浄力が高過ぎると、手肌に必要な皮脂やうるおいまで取り過ぎることがあるからです。

拭き方を変える

手を洗った後は、清潔なハンカチやタオルで水分をよく拭き取りましょう。濡れたままにしておくと、手肌が乾燥して手荒れが悪化しやすいからです。

拭くときもゴシゴシとこすらず、ハンカチやタオルに水分を吸い込ませるように、やさしく拭きましょう。

手洗い後の保湿ケアを変える

手洗い後はハンドクリームなどで、しっかりと保湿ケアをしましょう。

ハンドクリームで効果的に保湿ケアをするには、正しいクリームの量・塗り方・塗るタイミングが大切です。正しいケアの方法は、次の項目で説明します。

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ひどい手荒れを改善!ハンドクリームの使い方・選び方のポイント

手荒れを改善するためにまず使おうと考えるのは、ハンドクリームではないでしょうか。ここからは使い方と選び方のポイントを紹介します。

ハンドクリームは塗る量・塗り方・塗るタイミングがポイント

「ハンドクリームを毎日塗っているのに、手荒れがなかなか良くならない」という声があります。ハンドクリームをより効果的に使うためには、塗る量・塗り方・塗るタイミングにポイントがあります。

塗る量

1回に使うクリームの量は、人差し指の指先から第1関節まで、手荒れがひどい場合は第2関節までを目安にしてください。

ユースキン製薬のモニター調査によると、ハンドクリームを1日に2g以上使うことで手荒れが改善したという結果が出ています。一方、それ以下の量だと手荒れの状態は改善せず、ほぼ横ばいでした。

つまり、ハンドクリームは塗る量が少ないと、あまり効果が期待できないということです。たっぷりの量を塗ることが、ひどい手荒れを治す近道です。

塗り方

ハンドクリームは肌によくなじませるように、マッサージしながら塗ると効果的です。

① 手の甲にたっぷりハンドクリームを取る
② 両手の甲を重ね合わせるようにして、クリームを少しずつ広げる。
③ 手のひらで②のクリームを反対側の手の甲に親指側から小指側へ、すりこむようになじませる。
④ 親指から小指に向かって1本ずつていねいになじませる。
⑤ 爪の周りも1本ずつマッサージするように塗る。
⑥ 指の股にもしっかりと塗り込む。
⑦ 気持ち良いと感じる強さで親指と人差し指の間を押す。

寝る前は綿100%の手袋をすると、より効果的です。

マッサージを図解しているこちらのページもご確認ください

塗るタイミング

ハンドクリームは、手洗いした後に毎回塗るのがベストです。とはいえ、手を洗う機会が多い場合は、そうはいかないかもしれません。その場合は、就寝前だけでもマッサージしながらしっかりハンドクリームを塗りましょう。
また、日中はパソコンでの仕事や家事などの作業で、ハンドクリームのベタつきが気になる方もいるでしょう。その場合は、日中は使用感が軽めのもの、就寝前には高保湿なものと、使い分けするのも良いでしょう。

いずれにしても、就寝前には一日働いた手をいたわるように、マッサージしながらハンドクリームを塗るのがポイントです。

配合された有効成分がポイント

手荒れがひどい場合は、症状に効果がある有効成分が配合されたハンドクリームを選びましょう。

手の乾燥がひどい場合は、保湿成分のヒアルロン酸やグリセリン、セラミドなどが入ったものをおすすめします。

また、ひびやあかぎれの症状がある場合は、炎症を鎮めるグリチルリチン酸ジカリウム、dl-カンフル、グリチルレチン酸などの抗炎症成分が配合されたものを選ぶと良いでしょう。

また、血行を促進するビタミンEやヘパリン類似物質などの成分が入ったものもおすすめです。

なお、有効成分の配合されたハンドクリームには医薬部外品や指定医薬部外品、医薬品があります。手荒れがよりひどい場合は、治療効果のある指定医薬部外品か医薬品タイプを選ぶと良いでしょう。

セルフケアで手荒れが治らない!皮膚科を受診しましょう

手洗い習慣やハンドクリームでのセルフケアを変えるだけで手荒れが良くなることもあれば、良くならないこともあります。

どうしても治らない場合は、皮膚科を受診しましょう。

特に強いかゆみ、皮膚のめくれ、水ぶくれがある場合は、早めに受診して、適切な治療を受けてください。放置すると、症状が悪化する可能性があります。

また、手荒れの原因がアレルギー性皮膚炎だと考えられる場合は、原因物質の特定とそれに触れないように対策することが重要です。

皮膚科でパッチテストなどの検査を受け、手荒れを起こす原因物質が何なのかを特定してもらいましょう。アレルギー治療だけでなく、普段の生活で気を付けることなどの対策についてアドバイスをもらって、症状の再発を防ぐことが大切です。

野村有子医師からのワン・ポイントアドバイス
ひどい手荒れに悩んでいる方は、手洗い習慣やハンドクリームでのセルフケアを見直しましょう。毎日の習慣が、手荒れを悪化させる原因になっていることもあります。

ハンドクリームを塗るときは、たっぷり塗ること、マッサージしながらていねいになじませることが大切です。できれば手洗い後に毎回塗ることをおすすめしますが、それが難しい場合は就寝前にしっかりとケアしましょう。

症状が改善しない場合や、強いかゆみや水ぶくれなどの症状がある場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

野村皮膚科医院 野村 有子 院長

医学博士。慶應義塾大学医学部卒。横浜市に野村皮膚科医院を開業。
わかりやすい丁寧な指導が評判の関東屈指の人気皮膚科医。
最新の肌診断機器の導入や、アトピー性皮膚炎患者専用モデルルーム、アレルギー対応カフェも併設されている。アトピー性皮膚炎や乾燥性湿疹を中心に、男女を問わず幅広い年代の皮膚疾患の診断、治療を行っている。